筋トレの消費カロリーを理解することでダイエットの成功確率を格段に上げる
2017/09/23
筋トレをしてダイエットに取り組むスポーツクラブの会員さんから、筋トレはどのくらいカロリーを消費するのかという質問をされたことがあります。やはりダイエットには運動と食事という両方からアプローチする必要があるのですが、自分がやっている運動がどのくらいの消費カロリーであるのかは気になりますよね。頑張っているつもりの運動が実はそんなにカロリーを消費していなかったなんてこともよくあります。
そこで運動の内容によってどのくらいの消費カロリーがあるのか簡単に計算をしてみたいと思います。ダイエットに取り組む人、そうでない人も興味がある方はここに載せている計算方法を使って消費カロリーの把握をし、今後の参考にしてみてください。
消費カロリーを計算するにはメッツ(METs)を理解しよう
脂肪燃焼のために頑張って運動に取り組んでいる方はメッツ(METs)という言葉を聞いたことはあるでしょうか?メッツとは各身体活動の運動強度が安静時代謝の何倍に相当するのかを表している単位です。分かりやすく言えば今の運動がゴロゴロ寝ている時に比べてどのくらい体に負荷を与えているのかというレベルを表しているものです。
なのでメッツ値が3であれば安静時の3倍の運動強度という事になります。このメッツを理解することによって、今取り組んでいる運動の強度が自分の目的に対してマッチしているのかどうかを確認することができます。またメッツは運動だけでなく日常生活のカロリー消費量も割り出すことができるので数字を覚えれば日頃どれだけエネルギーを消費しているかといった事まで知ることができます。
メッツが表す身体活動レベル~運動編~
ではさっそくメッツの数値が示す運動強度を見ていきましょう。主要運動のメッツ値は以下のようになっています。3メッツ以下の運動は強度が低すぎるので載せていません。
3.0メッツ:ボウリング、バレーボール(レジャーレベル)、ピラティス、太極拳など
4.0メッツ:卓球、ラジオ体操など
5.0メッツ:かなり速いウォーキング、野球、サーフィン、バレエなど
6.0メッツ:ジョギング(ゆっくり、歩行込み)、ウェイトトレーニング(ボディメイク、高強度)、バレーボール(試合レベル)、バスケットボール、水泳(ゆっくり)など
7.0メッツ:ジョギング、サッカー、スキーなど
10.0メッツ:水泳(クロール、速く)など
ここには載せてないのですが、興味深かったのがランニングは走るスピードによって開きがあるということです。低い値は歩行込みのジョギングで6.0メッツから、高い値になると時速22.5キロで走る23.0メッツまで行きます。下記のリンクにランニングの速さによって詳しくメッツが分かれていますので、自分がどのくらいのカロリー消費をしているのかさらに理解することができます。
メッツが表す身体活動レベル~日常生活編~
続いて日常生活の行動がどのくらいの強度なのか、代表的な行動をメッツの数値で表しました。先ほどの運動強度のメッツ値と比べてみると、普段自分が送っている生活パターンがどのくらいのカロリー消費なのかイメージできると思います。ぜひ見てみてください。
2.3メッツ:ガーデニング、動物の世話(エサをやるなど)
3.0メッツ:ウォーキング(犬の散歩レベル)、家財道具の片づけ、子供の世話(立位)、梱包作業など
3.5メッツ:風呂掃除、床磨き、階段を下りる、スクーターの運転など
4.0メッツ:自転車に乗る、洗濯物を干す、階段を上る(ゆっくり)、動物と遊ぶなど
4.5メッツ:畑仕事
5.0メッツ:庭の手入れ、部屋の片づけ(4.8メッツ)、軽い荷物の運搬など
6.0メッツ:家の修繕(大工作業)、雪かき作業など
8.0メッツ:運搬作業(重い荷物)など
8.8メッツ:階段を上る(速く)
日常生活だとやはりスポーツや運動する事よりも身体活動レベルが下がることが分かります。それに伴ってメッツの値も運動する時より全体的に低くなりますね。日常生活では10メッツをなかなか超えない事からも、カロリー消費を増やすにはやはり運動を積極的に行なう必要があるという事が分かります。
下記に厚生労働省がまとめているメッツの値を載せておきましたので、詳しく知りたい方ははこちらをご覧になってください。
http://www.nibiohn.go.jp/files/2011mets.pdf
カロリー消費量をメッツを使って計算してみよう
ここまでで自分が普段送っている生活や取り組んでいる運動でどのくらい体力を使っているのかをイメージできたかと思います。今度はメッツを使って下記の公式に当てはめてみることで具体的なカロリー消費量が分かりますので、自分がここまでだったら食べても大丈夫というカロリーのボーダーラインが分かるようになります。
カロリー消費量(Kcal)≒メッツ値(METs)×運動・作業時間(時)×体重(kg)
この式がカロリー消費量の大まかな数値になります。しかし、≒←と書いたように正確な数値ではありません。カロリー消費量はまったく同じ運動でもその人の年齢、性別、筋肉量や緊張しているかどうかといった精神面でも変わってくるので、これもあくまで目安としてとらえてもらえる方がいいと言えます。
体重別消費カロリー 筋トレ編
ここでは筋トレをしたときにどのくらいカロリーを消費するのか体重別にまとめてみました。運動する時間によって消費カロリーは変わるので、ここでは30分間の筋トレをしたとしましょう。5kg刻みで計算してみましたので、あなたの体重と照らし合わせてみてください。
※自重を使った軽い強度のメッツ値:3.5
マシンやダンベルなどを使った高強度のメッツ値:6.0
軽い強度の筋トレの場合、30分行うと・・・
・体重40kg=70Kcal
・体重45kg=78.8Kcal
・体重50kg=87.5Kcal
・体重55kg=96.25Kcal
・体重60kg=105Kcal
・体重65kg=113.75Kcal
・体重70kg=122.5Kcal
・体重75kg=131.25Kcal
・体重80kg=140Kcal
高強度の筋トレの場合、30分行うと・・・
・体重40kg=120Kcal
・体重45kg=135Kcal
・体重50kg=150Kcal
・体重55kg=165Kcal
・体重60kg=180Kcal
・体重65kg=195Kcal
・体重70kg=210Kcal
・体重75kg=225Kcal
・体重80kg=240Kcal
軽い強度と高強度の境目もその人自身の体力によって変わってくるので一概には言えませんが、軽い強度はインターバルの最中でトレーナーや他の人とおしゃべりをしていられる、高強度は息があがりインターバル中に他の人と話してなんかいられないといった具合を目安にしています。
体重別消費カロリー ジョギング編
筋力トレーニングに続いて有酸素運動に移りたいと思います。ここではゆっくり走るジョギングでのカロリー消費量を体重別に計算してみました。体脂肪を燃やす直接の運動はやはり有酸素運動ですので、しっかり自分の体重に近い数値を確認してみてください。今回も条件は30分走ったというものにしたいと思います。
※ジョギングのメッツ値:6.0
・体重40kg=120Kcal
・体重45kg=135Kcal
・体重50kg=150Kcal
・体重55kg=165Kcal
・体重60kg=180Kcal
・体重65kg=195Kcal
・体重70kg=210Kcal
・体重75kg=225Kcal
・体重80kg=240Kcal
驚きなのが高強度で追い込む筋トレのメッツ値とジョギングのものが同じ数値のため、必然的に30分での消費カロリーも同じ数値になりました。体感的には高強度の筋トレの方がジョギングよりもカロリー消費していそうなのですが、実際は差が無いという事でいかに有酸素運動が消費カロリーが高いかという事が分かると思います。これは有酸素運動の方が全身運動であるためだと言えます。
体重別消費カロリー ランニング編
最後に速めに走るランニング(分速134m)での消費カロリーを見ていきたいと思います。今回も条件は30分間速めのスピードで走った時間を体重5kg刻みで見ていきたいと思います。
※ランニングのメッツ値:8.3
・体重40kg=166Kcal
・体重45kg=186.75Kcal
・体重50kg=207.5Kcal
・体重55kg=228.25Kcal
・体重60kg=249Kcal
・体重65kg=269.75Kcal
・体重70kg=290.5Kcal
・体重75kg=311.25Kcal
・体重80kg=332Kcal
※おにぎり100gで約180Kcal、食パン100gで約264Kcalとなります。
同じ有酸素運動でも速めに走るランニングとゆっくり走るジョギングでは消費カロリーに差が生まれますね。今回は毎分134mという速さで計算してみましたが、これよりも速く走るのであればさらに消費カロリーは上がるという事です。
この結果を見ると「よし!明日から速めのペースで1時間は走るぞ!」と鼻息荒くなる方もいますが、いきなり初回で長すぎる時間運動をしても疲労が溜まるし、次回からのモチベーションが低下する可能性があるといういい事無しなのでおすすめはしません。初めのうちはもうちょっと続けられるかな?という時間とペースで運動して、徐々に長くしたりスピードを上げていくやり方が三日坊主にならなくて済むと言えますね。
消費カロリーが上がるのは運動中だけではない。その後も続く燃焼効果とは?
実は人間のカロリー消費量というのは筋トレやランニングを終えた後、本人は休息モードに入っているつもりでもまだ継続していることがあります。これをEPOC(運動後過剰酸素消費)といい、体が運動後も酸素を消費し続ける状態のことをいいます。あまり負荷の低い簡単な運動ではこの現象は起きませんが、ある程度の強度の運動では起きています。
例えばボディメイク目的の限界まで追い込む筋トレの後はこのEPOCという状態になります。ランニングやスタジオエクササイズなんかでも、ある程度の速さで心拍数が上がった後というのは酸素を体が必要とした状態が続くのです。これは運動後の筋肉や内臓といった各組織に血液のエネルギー運搬や代謝がさかんに行われるためです。
ジムで筋トレを頑張った後にしばらく気分が高揚していていてテンションが高いときは無いですか?それはEPOCが起きていることも1つの原因と言えます。このEPOCという状態は運動強度にもよりますが15分から最大48時間も続くそうです。1日以上、カロリー消費量が高まった状態が続くのは魅力的ですよね。こういった理由からも筋トレで負荷をかけることがダイエットにつながると言えることなのです。
【筋トレの消費カロリーを理解することでダイエットの成功確率を格段に上げる方法
】まとめ
□メッツとは各身体活動の運動強度が安静時代謝の何倍に相当するのかを表している単位
□メッツを利用することによって日常のカロリー消費量を割り出すことができる
□メッツ値を基準に運動強度を見ると筋トレ<有酸素運動という事になる。これは有酸素運動の方が筋トレよりも全身運動であるという事が理由
□体が運動後も酸素を消費し続ける状態のことをEPOC(運動後過剰酸素消費)という。個人差はあるが15分から最大48時間継続する。
筋肉を増やしたい目的の方には気にならないかもしれませんが、ダイエット目的で筋トレや運動に取り組んでいる方にとってはカロリー消費量とは気になる存在ですよね。このメッツという数値を見ると有酸素運動の方がカロリー消費という面から見れば有効だという事が分かりましたので、筋肉を付けて格好よくなるというのではなく、とりあえず体脂肪を落としていきたいという方には有酸素運動は一番最適と言えるのかもしれませんね。