【正しいウォームアップのやり方】筋トレの効果を最大限に手に入れる方法

   

今回は筋トレをする前のウォームアップについて記事を書いていきたいと思います。皆さんはウォームアップと聞くとどんなことをイメージしますか?運動前に体を温めることでしょうか?ウォームアップ自体ほとんどしていないという方もいるかもしれません。ですがやはり筋トレも運動である以上ウォームアップはやった方がいいです。

しかも筋トレにおいてはウォームアップをやって役に立つウォームアップと、やらない方がいいウォームアップがあります。その筋トレが意味のあるものになるのか、効果の出ない無駄なものになるのかそのくらいの違いを生みますので、きちんとウォームアップについて理解していくことが大切になります。

ウォームアップの必要性を理解しよう

まずウォームアップとは体を温める行為であるというのはほとんどの人が理解できていると思います。直訳すればウォームアップ=(温め上げる)ですからね。ウォームアップを行なうことでケガの予防が出来たりしますのでしっかりとやった方がいいです。

しかし筋トレに関して言えば、ウォームアップは体を温めるだけではありません。正確に言えば筋肉の温度を上げて、これから重りを持ち上げるさいにしっかりとパワーが出せるように準備するためでもあります。筋肉以外にも関節や腱も筋トレでは力を発揮してもらいますので、ウォームアップで筋肉以外の関節や腱の温度も上げておく必要があるのです。

これは車のアイドリングと同じことで、寒い日にエンジンをかけてすぐにはトップスピードまで出ないのと同じことです。しっかりとエンジンが温まってから初めて加速が良くなるのと同じですね。特にボディメイクの筋トレは重りのリフティングスピードが重要になりますから、加速させるという意味では筋肉もエンジンも同じといえますね。

筋トレのウォームアップは温めるだけのものではない

筋トレの前にウォームアップで筋肉の温度を上げると書きましたが、実は筋トレのウォームアップにはそれ以外にもいくつかの役割があります。それが「意識を高めるため」というのと「アドレナリンを出すため」というものです。

まず「意識を高めるため」とはどういう事なのかというと、筋トレの効果を高めるための原則に意識性の原則というものがあります。これはその時の筋トレで使われている筋肉を意識しながら行なう方が、意識をせずに行うよりも格段に筋肉の発達が促されるというものです。

筋肉をイメージしながら行なう方が脳内でも筋肉を発達させる信号が出やすいという研究結果が出ているのです。そしてもし筋トレで筋肥大やボディメイクといったことを狙うのであれば、限界を味わう高重量を扱わなければいけません。ですがまだ何も準備していない素の状態から、いきなり重い重量で使っている筋肉を意識しながら追い込むのは至難の業なのです。

ですからまず軽めの重量から挙げることによってその使用している筋肉を意識するところから始めていくと、本番のセットに入ってから自然と使用場所を意識しながら出来るようになるのです。ちなみにターゲットの筋肉を触るだけでも意識するスイッチが入りますので、実際に重りを挙げる前に筋肉のタッチも行ってみましょう。

ウォームアップはアドレナリンを放出させるスイッチ

ウォームアップのもう一つの効果として、「アドレナリンを出すため」という事が言えます。アドレナリンとは脳内から出されるホルモンの一種で、このアドレナリンが放出されると人間は交感神経が活発化して興奮状態になります。

そして人は冷静で落ち着いた状態よりも興奮状態にある方が力が発揮しやすくなり、また集中力もアップします。人は普段の生活で落ち着いているときは筋力にブレーキというか、リミッターがかかっています。火事場の馬鹿力とは極限の興奮状態の中でそのリミッターが解放されて、普段では出し得ない力を出せることを言った一例です。

もし普段からリミッターの外れた状態では力は多く出せるでしょうが、その分消耗も激しく常にかなりのエネルギーが必要な体になってしまいます。それを防ぐために筋力のリミッターがかかっていますがウォームアップで徐々に重さを挙げていき興奮していくことで、いざ本番セットでしっかりと筋力を出し切る所まで追い込むことが出来るようになるのです。

やはり本当の限界点まで追い込めた方が筋肉は太く強くなろうとしますので、しっかりとウォームアップでまず限界を超えられるような興奮状態まで持っていくようにしましょう。ちなみに想像しやすいと思いますが、あまりにも軽い重量や負荷だとアドレナリンは出てこないですので最初は本番セットの5~6割、2セット目は本番セットの7~8割くらいの負荷でウォームアップを行ないましょう。

間違ったストレッチと正しいストレッチとは

ウォームアップの代名詞といえばストレッチがあると思います。しかしストレッチにも筋トレに向いたストレッチとそうではないストレッチがあります。ストレッチには体を動かして関節を稼働させながら行う“動的ストレッチ”と同じ姿勢のままジッとして筋肉を伸ばしていく“静的ストレッチ”という二種類に分類されます。

動的ストレッチは例えばサッカー選手が試合前に肩や足を回しながらやっているウォーミングアップがそうです。ラジオ体操も動的ストレッチですね。対して静的ストレッチは開脚や前屈などの姿勢をキープするものを言います。反動を付けずに同じ姿勢をキープするという意味ではヨガも静的ストレッチに分類されます。

ここで筋トレを行なう前にやるべき正しいウォームアップはというと、動的ストレッチが正解です。なぜ静的なストレッチはダメなのかというと、ストレッチは筋肉は伸ばす行為であり筋トレは筋肉を縮めるという行為だからです。つまり丸っきり逆の行為なわけで、アクセルとブレーキを同時に踏んじゃうようなものです。

筋肉は先に伸ばしてしまうと、いざ縮めようとしてもしっかりと筋肉が収縮しなくなってしまうのです。すると筋トレの効果があらわれなくなってしまうので、筋トレの前には動的ストレッチをしましょう。

具体的にはこれから行なう種目の動きを実際に重りを挙げてフォームを確認しながら行ないます。動的ストレッチは軽い重さでやっていきその種目の可動域や角度、効かせるべき筋肉の意識などを行なえます。ですのでただ単に筋肉の温度を高めるだけではないんです。

ウォームアップはすき間時間でやる筋トレには必要なのか

最後にオフィスでの休憩中や移動する電車の中など、空いた時間でやる筋トレにはウォームアップは必要なのでしょうか?そういったすき間時間であれば、筋肥大目的の高重量を扱うトレーニングではないのでウォームアップは必要ないと思います。これから使う筋肉の意識付けのために、ちょっと筋肉を刺激するくらいでいいでしょう。

また筋トレの前はスポーツの試合と違いまして、汗だらだらになるほどのウォームアップは必要ありません。先ほど書いた軽い重量で動きを確認することをしたら、あとは少しずつ負荷を重くしていけば自然と筋肉は温まってウォームアップされます。

【正しいウォームアップのやり方】まとめ

□ウォームアップは筋肉や関節、腱といった部位を温めこれから行なうトレーニングに備えるもの

□ウォームアップには使う筋肉を意識しやすいようにすることと、アドレナリンを出して筋肉を限界まで追い込めるようにするためのもの。

□ストレッチには動的ストレッチと静的ストレッチがあり、筋トレには動的ストレッチが向く。先に筋肉を伸ばしてしまうと筋トレの効果が半減してしまう。

□すき間時間でする筋トレならばウォームアップは少しでもいい。高重量を扱いケガの可能性があるときはウォームアップは入念に。

□筋トレをする際のウォームアップは汗だらだらになる必要はない。

僕が筋トレを始めたばかりの頃、ウォームアップはランニングマシンで20分くらい走り、汗だらだらになるまでやってから筋トレを始めていました。しかし筋トレは使う筋肉の温度、意識、興奮作用が得れればマシンやダンベルでウォームアップができると知ってからは走ることはまったくしなくなりました。むしろ筋トレの効果を高めるのならば走るよりも、フォーム練習の方がいいウォームアップになると言えますね。

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