【HMBっていったい何なのか?】なんだか怪しいサプリメント・・・そんなHMBに関する疑問を解決しましょう!
2017/09/23
世の中のサプリメントには本当にたくさんの物が存在します。超メジャーどころで言えばプロテインです。プロテインという名前を聞いたことがない人はいないのでは?知らない人のために一応解説すると、プロテインとはパウダー状にしたタンパク質のことです。タンパク質を英語で言えばプロテインというそのままの意味ですね。タンパク質と区別するため欧米人はプロテインパウダーと言ったりもします。
プロテイン以外にも今世の中に存在するサプリメントには、BCAAやクレアチンといった有名なものがありますね。そして今回ご紹介するサプリメントはHMBというものです。今注目されているこのHMBというサプリメントを取り上げて、いったいどんな効果があるものなのかを見ていきたいと思います。
HMBとはどんなサプリメントなのか?
HMBという名前は聞いたことがない方もいるかもしれません。そんな方のためにHMBとういうサプリメントを説明したいと思います。まずHMBの正式名称は“β-ヒドロキシβ-メチルブチレート”という名前です。このサプリメントが日本に入ってきたのは比較的最近の話で、2010年頃に厚生労働省に認可されました。
しかし筋トレ大国アメリカではその何年も前からHMBは使われていて、メジャーなサプリメントになっていました。アメリカでは1996年頃からHMBの研究がされていたとも言われています。そして日本でもその効果の信頼性が注目されて輸入され始めたのが最初の流れです。
HMBの正体とは必須アミノ酸のロイシンが代謝されることによって作られる物質です。ちなみに代謝するとは、体内でその栄養素が使われて合成したり分解されたりすることを言います。ロイシンはBCAAの中にあるアミノ酸の1つで、バリン・イソロイシンとともに筋肉の合成を助けてくれるアミノ酸のことですね。ということは、HMBを摂取していると筋肉の回復が早く、筋肥大がより進むという事です。ボディメイク目的の方にはとても役立つサプリメントと言えます。
実は普通に食事をしていてもHMBは体内で作られます。その流れはタンパク質が体内に入ることによって消化吸収されてアミノ酸に分解されます。アミノ酸は全部で20種類ありますが、その中の1つがロイシンです。ロイシンが筋肉を合成するなどで代謝されると、その一連の流れでHMBが生成されるのです。タンパク質→ロイシン→HMB
おまけにBCAAやクレアチンとは違い、糖質を摂取してもしなくても吸収力に影響する事はありません。ということは逆を返せば、ダイエット中の方にとって糖質をカットをしながらでも効果を維持出来るサプリメントということです。ダイエット中でも筋肉が落ちないようにしっかり働いてくれるという事ですね。
HMBはとても数が少ないもの
ロイシンが代謝されてHBMが作られると言いましたが、ロイシンの中にあるHMBの割合は5%しか含まれないと言われます。つまりなかなか食事からのみだと少ない量しか得ることができないということで、初めから生成されたHMBサプリメントが注目されているのです。
初めから分解された状態で体内に取り入れられるので、普段の食事から摂取するよりもスピーディーに筋肉に働きかけることが可能なのです。体内にHMBが満たされれば、トレーニングで傷ついた筋肉が修復し合成される働きを助けてくれます。
また普段の生活で食事の間隔が空いたときやトレーニングの最中など、筋肉が分解されやすいカタボリック状態を抑えてくれる効果もあります。特に激しい筋トレでは筋肉はカタボリックになりやすいので、いかにカタボリックを防ぐかもボディメイクでは大切な要素といえます。
HMBの飲み方はどうすればいいのか?
続いてはHBMの飲み方ですが、HBMはプロテインとは違ってたくさんの量が必要ではありません。プロテインは摂取する人の体重にもよりますが、20~60gが一回の摂取量です。しかしHMBの場合はたった3gで良いのです。まったくプロテインとは量が違いますね?それはなぜか?
やはりロイシンから分解されている状態のため、不純物が少ないのでしょう。プロテインの中には、糖質やビタミンなどのいくつかの栄養素があるため摂取量も自然と増えてしまうんです。しかし純度の高いサプリメントは摂取量が少なくて済むという事です。
3gという量は1回で摂るのではなく、1日にかけて3~4回に分けて摂ると効果的です。なぜなら研究によって3gまとめて摂ったHMBは合成割合が70%だったのに対して、1gで摂ったHMBは合成割合が85%まで上がる結果になったそうです。この結果3gまとめてよりも1gずつ数時間空けるようにして摂取した方が、体内のHMB濃度を高く保てるということです。
そしてもう1点、HMBはクレアチンとの相性が良いです。クレアチンは筋肉の出力を高めてターゲットを追い込むことができ、HMBは傷ついた筋肉の合成を高めてくれます。つまりボディメイクで高負荷なトレーニングの後押しをしてくれるのです。クレアチンを飲んでる方でさらなるレベルアップをしたい方にはHBMは適しているサプリメントと言えます。
文献でもHMBの効果を実証済みである
運動生理学者ジェイコブ・ウィルソン氏による研究でも、HMBサプリメントを摂取して高強度な筋力トレーニングをしたグループとそうでないグループとで、12週間かけて筋力の増加具合と筋肉への損傷具合という2点を調査しました。
実験で行った種目はベンチプレス、スクワット、デッドリフトの3種類と垂直飛びのパワーも測定したそうです。その結果、明らかにHMBを摂取していたグループの方が筋力の増加が見られたそうです。
もう1点、筋肉へのダメージの具合についてです。この実験の12週間中に2週間は激しく追い込むトレーニングを続けて、オーバートレーニング状態を両グループ共に作りました。するとHMB摂取グループの方が明らかに損傷レベルが低く、オーバートレーニングでもダメージを低く抑えてくれ、さらには超回復の効果も得るという結果が出たのです。
この研究のようなHMBの効果は文献にもしっかりと記載されているのです。けっして怪しいものでは無いと頭に入れておきましょう。詳しいことは文献のリンクから調べてみてください。
ウィルソン・ジェイムスhttps://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4019830/
日本体育大学大学院
http://ci.nii.ac.jp/lognavi?name=nels&lang=jp&type=pdf&id=ART0002117900
【HMBの効果と摂取ポイント】まとめ
□HMBは必須アミノ酸であるロイシンの代謝物で、主に筋肉の合成を促進し筋損傷を抑える役割がある。ロイシン全体の5%から得られる成分である。
□糖質の摂取によって効果が変わるものでは無いため、糖質を制限しているダイエット期でも効果を発揮するサプリメント。
□1日に推奨されるHMBの摂取量は3g。これを1gずつ数回に分けて飲むとより体内への吸収率を高められる。
□クレアチンとの相性が良く、同時に摂取することで高負荷なトレーニングの刺激を筋肉に与えやすい。そのため筋肥大の効果を得やすくなる。
□HMBの効果を証明している文献も多数出ていて、信頼性もおける成分である。
このHMBにはしっかりとどんな効果が期待でき、ご自身がどういう目的でトレーニングしているかを理解できていれば非常に効果的なサプリメントと言えます。しかし1つ勘違いしないでおきたいことは、他のサプリメント全般に言えることですがそれさえ飲んでいれば筋トレの成果が出ると過度な期待を寄せないことです。サプリメント依存者という人もいるくらいですが、サプリメントはあくまで普段の食事を補佐する物であり、本来の食事がきっちり筋肉に必要な栄養素を与えているならそれだけでも十分なのです。しかしながら普段の食事がジャンクフードばかりで、食事回数も食べたり食べなかったりとまばらな状態では、どんなに高価で優秀なサプリメントを摂っても効果は出ないでしょう。そういった事を理解したうえでサプリメントは摂取するようにしてください。