【クレアチンの効果的な飲み方~前編~】クレアチンを飲む者は筋トレを制す!

      2017/09/23

トレーニーとサプリメントは切っても切れない関係だと思います。多くのトレーニーが筋肉を強く大きくするためにサプリメントに投資しているわけですが、サプリメントはプロテインだけではありません。プロテインは筋肉を大きくするための材料なわけですが、他にも筋肉の動きを良くしたり、筋肉の力をより発揮させてくれるサプリメントもあるのです。

そういった様々な種類のサプリメントが世の中にはありますが、その中から今回はクレアチンにフォーカスしていきたいと思います。クレアチンは2015年のサプリメント市場で大幅に売れ、年間で1000万円以上の売り上げが出たと言われています。クレアチンを摂取することでもう1段階あなたの筋肉は大きく、強くなることでしょう。

クレアチンってどんなサプリメント?

クレアチンは体内の筋繊維(筋肉細胞)の中に蓄えられているもので、非必須栄養素に分類される栄養素です。非必須という事は食事からどうしても摂らなければいけない栄養素ではありません。自然と体内で作り出される栄養素なのです。しかしこのクレアチンはサプリメントから補給することにより、意図的に筋肉の中に増やすことができます。これによって効果的に筋力を増やすことができるのです。

クレアチンの役割は何なのか?それは筋繊維にエネルギーを供給するというものです。このクレアチンが筋繊維の中に多くあればあるほど、爆発的なエネルギーを発揮できるようになります。ウエイトトレーニングでいえば普段の重量で上げられる回数が1、2回多く上がるようになる感じです。

これはアデノシリン三リン酸(ATP)をエネルギー源にします。このATPの加水分解によって爆発的な力が発揮されるのですが、この力は10秒以上続く長い筋力ではありません。瞬間的に力を出す速筋タイプの筋肉で効果を発揮します。ある程度長い時間筋力を発揮する遅筋タイプの筋肉にはクレアチンの効果は少ないのです。

クレアチンは大きい力を出すだけではない。その他のさまざまな効果

・競技力向上:クレアチンの効果を調べるため、実験で500件以上の運動が調べられました。内容は筋力の最大パワーだったり、反復スプリントなどのタイム計測で実にその70%以上で競技能力の向上が確認されたのです。つまり筋肉のスペックが上がったという事が言えるのです。

・疲労軽減効果:クレアチンを摂取することによって疲労が体に現れづらいという効果もあります。理由は大きく分けて2つありますが、1つ目は筋肉細胞にクレアチンがたくさん存在していればそれだけ大きなパワーを発揮できるという事なので、同じ負荷の運動を行ってもクレアチンを摂取していない人より、クレアチンを摂取している人の方が疲労しずらいという事です。

2つ目の理由はクレアチンには酸性に傾いた体の中和をしてくれるからです。筋トレをすると人の体というものは酸性物質である水素イオンを筋肉内に発生させます。この水素イオンがターゲットの筋肉に多く発生すると、その筋肉が焼けつくような感覚になります。よく筋トレで感じるバーンの状態ですね。

そのときクレアチンが筋繊維内にたくさんあることによって、この水素イオンを中和してくれます。よって筋肉への疲労が軽減されるというメカニズムなのです。これが活発に起こるとトレーニングをしている際にセット間のインターバルで早く筋肉が回復し、より高重量のトレーニングが出来ることにもなるのです。ただし筋肉痛を感じなくなると言ったことではありません。

・筋肥大効果の増進:クレアチンを常日頃から摂っていると筋肉の合成(筋肉が作られる状態)がより活発になるとも言われています。しかしこの効果はまだ研究段階だそうなので仮定なのですが、クレアチンの効果で有力視されている効果です。これに関しては続報を待つことにしましょう。

クレアチンはどのような飲み方がいいのか

これはどんなサプリメントにも言えることなのですが、クレアチンはその日飲んでいきなり筋力が上がるようなドーピングの様なものではありません。毎日摂取し続け、筋肉の上限値に達しないと瞬発力として現れないのです。

例えるなら毎日少しづつバケツに水を入れていき、ある日水があふれた状態を迎える。この水の飽和状態がクレアチンが上限値に達した状態です。このクレアチンを摂取していく期間をローディング期といい、その後クレアチン量を維持していくメンテナンス期という状態に入ります。このクレアチンの飲み方には大きく分けて3つがあります。

ローディング方法1:クレアチンは1回の摂取で5gずつ、1日4回に分けてとっていきます。これを1週間続けて摂取すれば筋肉内のクレアチンは最大になるでしょう。その後摂取量を3~5g以下に抑えてメンテナンス期に入ります。この方法のメリットは短期間でクレアチンを筋肉に充填でき競技パフォーマンスが向上しますが、その分デメリットとして体重が増加したり内臓に多少負担がかかります。

ローディング方法2:これは1つ目に紹介した方法よりも時間をかけてクレアチンを飲んでいくやり方です。1日に1回のみの回数で、摂取するクレアチン量を3~5g以下に抑えて飲み続けます。すると1ヶ月ほど経てば筋繊維内のクレアチンが最大値になります。時間が方法1よりもかかりますが、その分体重増もしづらく内臓に負担がかからないうえ摂取量も少ないのでコストパフォーマンスも良く経済的です。

ローディング方法3:最後の飲み方は体重別に摂取量を調整するやり方です。筋肉量の多い人は少ない人に比べて体重も重くなります。筋肉が多ければそれだけチャージできるクレアチンの量も多くなるという考え方です。具体的にはローディング期においては体重1㎏×0.3gの量を摂り、メンテナンス期に入ったら体重1㎏×0.03gのクレアチンを摂るのです。

メンテナンス期にはローディング期の10%に留めると覚えておきましょう。このやり方でもそれぞれの体重に合ったクレアチンの量を摂るので、急な体重増加を避けることができ脂肪を付けづらいというメリットがあります。

【クレアチンの役割と効果的な摂取方法】に関するまとめ

□クレアチンとは筋肉が爆発的なパワーを発揮するときに、クレアチンリン酸系のエネルギー供給システムがその働きを助けてくれる栄養素のこと。

□クレアチンは長い時間、力を発揮する競技には向かない(マラソンなど)。瞬発力を要する競技に向いている(短距離走、パワーリフティングなど)。

□クレアチンには競技力の向上、回復力の向上、筋肥大の増進という3つの効果がある。

□クレアチンのローディング方法は3つのやり方がある。短期間に大量に摂るスピード重視、長期間で少しづつ摂っていく低コスト重視、体重別に摂取量をコントロールする体重維持重視の3つ。

クレアチンは冒頭でも挙げましたが、近年ではかなりの注目を浴びているサプリメントです。上手く摂っていけば筋肥大を大きく手助けしてくれる有能サプリメントなのです。私が働いていたジムでもクレアチンを摂取しているトレーニーはたくさんいました。一昔前は飲み方もしっかり確立しておらず飲み過ぎて体重が増えすぎてしまうといった事もあったようです。しかし今は飲み方も色々と方法があります。例えば体重増加が嫌だという方で何らかの競技に参加する予定が無いのならば、自分の体重で計算するクレアチンの摂り方がいいと言えますね。それぞれに合ったローディング方法を選んでみてください。

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