【油断大敵なストレスホルモン!】ストレスが筋肉に与える意外な影響とその対策方法

      2017/09/23

筋トレで筋肉を大きくしたいけれど、その妨げになる存在はたくさんあります。タンパク質などの栄養不足や睡眠不足になってしまったり、またオーバートレーニングの状態も筋トレの効果がなかなか現れない要因です。しかしそれ以外にも筋トレの効果が出ない要素はまだまだあります。その一つがストレスです。

現代社会はストレス社会と言われるような時代で、鬱などをはじめ多くのストレスが私たちを苦しめます。そんなストレスを上手く発散していかなければあなたの筋トレに影響を与える可能性すらあります。それはいったいどういうことなのか、ストレスと筋肉の関係性をここでは見ていきたいと思います。

なぜストレスが溜まると筋トレで効果が出ないのか

ストレスがどう筋トレの効果に影響を与えるのかといった事なのですが、ストレスを仕事場や家庭の中で抱えている人はコルチゾール、別名ヒドロコルチゾンというストレスホルモンが脳内から分泌されます。

ここで言うストレスとはトレーニング中の肉体的なストレスや、初対面の人と同じ空間に居合わせるような突発的なストレスとは違います。そういったストレスを日常から無くすなんてことはどうやっても不可能です(笑)。あくまで何かあるわけではなくとも慢性的に感じているストレスの類いです。

こういったストレスにさらされているときに、脳内ではコルチゾールが分泌されているのです。そしてコルチゾールが体内に多く分泌されると三大栄養素である、糖質・脂質・タンパク質の代謝を抑制してしまう働きがあります。

という事は筋トレでたくさん筋肉を追い込んで、その後プロテインをたくさん摂取してもタンパク質の合成がうまくされない事態になってしまうのです。これは非常にもったいない機会損失と言えます。

さらにこれは筋トレ直後のみの話ではありません。日常的にストレスを感じている人はコルチゾールが常に多い状態ですから、筋トレ後の数日間タンパク質の合成が悪くなり俗に言う『超回復』が起きなくなるという事です。つまり簡単に言ってしまえば筋肉が付きづらい体質の出来上がりという事ですね。ちなみにホラーやサスペンス映画等のストレスは代謝を上げてくれるそうで、そういったストレスはダイエットなどに向いているかもしれませんね。

コルチゾールがもたらす筋肉以外への影響

筋トレ関連の影響を見ていきましたがそれ以外にも影響はあります。コルチゾールが増えると血糖値の量が増加すると言われていて、そのまま血糖値が上がっていけば糖尿病のリスクが増えてしまいます。

この血糖がどこから来ているかというと厄介なことに筋肉から作られていきます。筋肉が分解され糖質に作り替えられる『糖新生』というもので、つまりコルチゾールが増加することでトレーニーには避けなければいけないカタボリック(筋肉の分解されている状態)になってしまうのです。

この他にもコルチゾールは免疫力の低下を招き病気になりやすくなると言われていますし、女性では不妊の原因にもなるそうです。また脳自体にも影響があり記憶を司る海馬に影響があるそうです。なので若いころからストレスの多かったお年寄りは認知症になりやすいそうです。

確かに思い返してみるとストレスの少ないような人はいつまでも若々しく長生きする印象があります。私事ですがうちのおじいさんは現在102歳で、98歳で認知症が始まってしまいましたがこれまでに大きな病気もなく自分の足で歩いています。彼は静かな農村で自給自足での生活をしていたこともありストレスが少ない人生を歩んでこれたのかもしれません。

話が逸れてしまいましたが、コルチゾールが糖尿病や認知症に影響があるとすればストレスが万病の元になるという事にも頷けてしまいますね。

コルチゾールを増やさないための対策

ストレスが筋肉に悪影響を与えるという事は分かりました。ではここからどうすれば少しでもストレスを緩和していけるかをあげていきます。1つ注意事項として、慢性的なストレスを取り除くといった大きな事まではできませんので、あくまで筋肉にストレスの影響を与えないためのちょっとした工夫という程度にとらえていただけたらと思います。

まずストレスになるほど無理な筋トレのスケジュールにしないことです。「残業で夜遅くまで会社にいたが今日はまだ30分は筋トレができる」こんな状況だったとしましょう。ここで筋肉がウズウズしちゃって寝付けないよという場合は迷わずダンベルを手に取るべきです。

しかしすでに眠気が来ていて、次の日もハードなスケジュールであり明日のことが気になってしまうような状況であれば筋トレは休んでいいと思います。筋肥大には大きな集中力と興奮状態が必要になりますので、それが作り出せないのならコンディショニングに時間を使った方がいいと思います。結局オーバートレーニングにも繋がってしまいますので。

これと同じでダイエット中の無理な食事制限も同じです。適切な食事の制限によるストレスはある程度我慢が必要ですが、まったく食べ物を口に入れなかったり、仕事中に意識がもうろうとするような状況までやってはいけません。

結局そのストレスでコルチゾールが生まれ、筋肉が減って基礎代謝が下がればダイエットの効果も出ずにリバウンドして、以前よりも激太りという事になりかねません。なにより普段の生活が苦しすぎます。筋肥大もダイエットも楽しみながらやるということを忘れないでください。

月イチで『おいしいものを食べに行く日』や、『完全にオフにしてダラダラに徹する日』というのを設定してみるのも面白いかもしれません(笑)。そうやってメリハリをつけることが物事を継続するコツになりますので、ストイックになり過ぎずストレスを溜めないようにしていきたいものですね。

【ストレスが筋肉に与える影響とその対策】まとめ

□ストレスホルモンであるコルチゾールは三大栄養素の代謝制限、筋肉の分解作用がある

□コルチゾールは他にも血糖値の上昇、免疫力低下、脳の海馬への影響、女性の不妊などの影響がある

□コルチゾールを増やさないために筋トレやダイエットはストイックになり過ぎず、時には意識的にオフの日を設けることが大切

ここまで見てきていかがだったでしょうか?日本人は苦しくても我慢して物事を行なうことに美徳を感じやすい国民性があるために、ついついストイックに物事をやろうと思ってしまいがちですが、こと筋トレに関してはそれがマイナスに働いてしまうこともあります。

普段から仕事がどうやったら効率的に回るかと考える大人は多いと思いますが、どうやったらストレスを逃がすことができるかなーと真剣に考える大人はあまりいないかも知れません(笑)しかしストレスをため込みやすい人ほど、ストレスを上手く発散できるように考えていくことは仕事と同じくらい大事なことだと言えますね。

 - 筋トレの効果を上げる方法