【腹筋を割る方法とシックスパックにまつわる誤解】腹筋を割るために腹筋運動は必要ない!?

      2018/07/01

6つに割れた腹筋、通称シックスパックは筋トレ男子なら誰もが憧れる部分ですよね。実際に筋トレを始める男性は、割れた腹筋を作ってみたいという願望を持ってジムに通い始める方が多いです。だけどなかなか割れない悩める部位、それが腹筋なのです。男性だけでなく女性でも夏が近づいてくるとお腹を絞りたくなります。

そしてこれは日本だけでなく世界の多くの国でも同じ事が言えます。どこの国でもみんなクッキリ6個に割れた腹筋には憧れるのです。しかし多くの人が腹筋を割るために腹筋の運動を50回、100回と繰り返すのですがこれはものすごく遠回りな方法だという事をあなたはご存知でしたか?ここではどうすれば割れた腹筋を手に入れることができるのか、その方法を紹介したいと思います。

腹筋にはどういった筋肉のパーツがあるのか

私たちが一般的に言う腹筋とは大まかに分けると、腹直筋(ふくちょくきん)と腹斜筋(ふくしゃきん)という筋肉から成り立っています、本当はもっとあるんですけどね。簡単に説明しますね。

腹直筋:お腹の正面に位置する筋肉でここが発達すると通称シックスパックと呼ばれる、板チョコやカレーのルーの様なお腹が6個に割れたように見える部分です。一見大きな筋肉に見えますが、厚みはそれほどなく1~2cmほどと言われています。主に体を前屈するおじぎの様な動きで使われる筋肉です。

初心者が誤解することが、腹筋は発達してくると割れてくると思うのです。しかしこの腹直筋は元々割れています。なので単純な話、お腹の脂肪が無ければ腹筋は割れて見えるのです。しかし見栄えのいい格好いいシックスパックというのは、筋肥大している腹直筋でなければ形作れないのでそこは誤解無きように。

腹斜筋:肋骨から骨盤にかけて脇腹の位置に走る筋肉で、ここが鍛えられると腹筋の輪郭が何倍にも格好良く見えるようになります。腹斜筋は体を横に傾けるときに収縮する筋肉であり、体をねじる運動でも使われる筋肉です。

これら腹筋群を鍛えることによって体の姿勢をまっすぐにキープすることができるようになります。この理由は腹筋には体幹を支える効果があるためで、お腹の力が抜けている方はどうしても猫背になり腰痛などを引き起こしてしまいます。ちなみに姿勢というものは腹筋だけではなく、背筋や胸筋も必要なので腹筋だけを鍛えればいいわけではない事を覚えておきましょう。

ちなみにこれ以外にも、お腹の筋肉が強くなると内臓の位置が安定しやすくなります。すると内臓があるべき位置に固定されるので便通が良くなるのです。便秘の1つの理由として姿勢の悪さと腹筋の弱さがあり、それらが理由で大腸などの内臓が圧迫されて便の流れが悪くなるのです。ですから腹筋を鍛えることは便秘の改善にもつながっていくのです。

腹筋を鍛えるメニュー、その1

腹筋をターゲットとした筋トレメニューにはどういった物があるのかを紹介します。これらは自宅でもできる自重トレーニングなので、お腹を6個に割りたい方はコストもかけずにすぐに始められます。

クランチ:まず1つ目はお腹の正面上部をトレーニングする種目です。腹筋トレーニングの中で1番誤解されやすい種目なので、しっかりフォームを覚えましょう。

□床またはトレーニングベンチに仰向けになる。

□膝を起こして天井を見上げ、両手は指先をこめかみに添える。

□あごを引き、目線を膝に向けます。

□背中を丸めるように上体を起こせる位置まで起こしていく。

□腰を浮かせずにトップで息を吐き切り、腹筋を収縮する。

手の位置は指先でこめかみを触るようにし肘を外に向けますが、これがきつい場合には肘を伸ばした状態で両手を腿(もも)の上に置き、その両手が腿の上を滑るようにしながら上体を起こしていきましょう。目安は膝を両手でタッチできるあたりまで持ち上げます。

ありがちな間違いで上体を起こす際に腰が浮いてしまうクランチがあります。腰が浮くときというのは足に力が入っていたり上体で反動を付けている状態で、それだと腹筋が使われないので効果のない運動になってしまいます。足から力を抜くコツとして、踵を浮かせてクランチすると足の力が抜けて腹筋が上手く使われるようになります。お腹に効いている感じの無い方はぜひ試してみてください。

似ている種目で胸が腿に付く位まで上体を起こすものがありますが、これはシットアップと言って脚の付け根にある腸腰筋(ちょうようきん)がターゲットの別物の筋トレです。本来の正しいクランチであれば、背骨の中央部分が床から離れるくらいまでしか上体は持ち上がりません。慣れてくれば腹筋がきちんと収縮するポジションが分かってくるので、正しいクランチの可動域でトレーニングしましょう。

 

 

腹筋を鍛えるメニュー、その3

サイドクランチ:脇腹である腹斜筋を鍛えるトレーニング種目です。

□床に横向きに寝転がり上側の指をこめかみの位置へ。

□下側の手は床に寝かせ、両足はそろえておく。

□ターゲットは上側に位置する腹斜筋で、そのまま上体を上側に起こし脇腹を収縮させる。

□収縮の際は息を吐き切ること。

上手く脇腹が意識できない場合は両膝を少し前に出してみましょう。これもクランチと同じで足に余計な力が入っているとお腹に意識が行かないので、膝を出すことにより足の力が抜け脇腹に集中しやすくなるのです。

なおそれぞれの種目はゆっくり目に10~15回で行いますが、楽に15回できてしまう場合はダンベルを抱えたり、レッグレイズでは足に重りを巻くアンクルウエイトなどで負荷を増やしてください。50回も100回も出来るような負荷では軽すぎて、腹筋がくっきり表れることは難しいでしょう。

腹筋トレーニングの頻度はどれくらいで行なえばいいのか

腹筋は他の筋肉とは違い遅筋の割合が多く回復が早いと言われています。そして関節に大きな負荷がかからないために怪我のリスクが少ないです。以上の理由から腹筋は毎日行なってもOKと言われています。しかし個人的には他の部位の筋肉痛や疲労が溜まっている状態で、無理やり腹筋運動にこだわらなくてもいいと思います。

なぜなら先ほども言いましたが、お腹というのは意識がしづらい部位です。他の部分の筋肉痛などに気を取られてターゲットに意識を向けられない状態というのは効果的ではありません。それに筋トレというのは1番鍛えたい部位を最初のターゲットにするべきという原則があるのですが、腹筋を割りたいという理由で1番に始めると、ある落とし穴が待っています。

それは体幹部分が先に疲労してしまい、他のトレーニングで正しいフォームの維持が難しくなるというデメリットがあるのです。ということから腹筋は最後の方に行なう方が効率的なのです。

衝撃!実は腹筋のトレーニングをやらなくても腹筋自体は鍛えられている!?

初めてこの理論を聞いたときには私もショックが大きかったです。先ほど腹筋種目の後は体幹が疲労しフォームが乱れやすくなると書きましたが、逆を返せば腹筋以外の筋トレでも体幹部分の一部である腹筋には負荷がかかっているという事です。

つまり何種目かの筋トレで十分腹筋はトレーニングされているという事なのです。事実、究極の肉体美を追求するボディービルダー達はほとんどクランチなどをしません。それは多くのフリーウェイトで腹筋が鍛えられることを知っているからです。腹筋のトレーニングは何かのスポーツに取り組んでいる方や、アスリートなどのファンクショナル(動ける体を作る)という効果を求める人々にとっては非常に有効だという事です。

キレイに割れた腹筋を持っている人はがっつりと腹筋のトレーニングに取り組んでいると誤解する人が多いと思いますが、実際はそうでもないです。がむしゃらにトレーニングを行なうよりも、しっかりと正しいやり方を学んでいく方が近道なのです。

トレーニングで腹筋を作り上げ、最後の仕上げはダイエット

腹筋を6個に割るにはただ腹筋を大きくすればいいわけではありません。そう、もうお分かりですね?お腹まわりの脂肪が落ちなければ鍛えた腹筋は現れないのです。腹筋の上に乗った脂肪を落とすことが最終ステップです。

脂肪を落とすメカニズムは極めてシンプルです。摂取カロリーを消費カロリーよりも落とすか、消費カロリーを摂取カロリーよりも増やすかのどちらかです。筋トレ以外にスポーツに励んでいる方であれば食事に多少の気を使えば脂肪は落ちていきます。しかし筋トレのみの運動をされている方は食事内容を見直していきましょう。ダイエットというやつですね。

ダイエットの意味は食事内容のコントロールという意味ですから、普段食べる食事を調整します。糖質と脂質を減らして、タンパク質を多めに摂りましょう。タンパク質が不足すると筋肉を分解して栄養素を補給しようとするので、それを避けるためにもタンパク質は多めに摂ります。

しっかりとした食事管理を続けていければ確実に腹筋のデコボコが浮かび上がってくるので、それまではあきらめずに頑張って食事管理を継続していきましょう。ジム通いをしている方であれば、スタッフやトレーナーの方に相談してモチベーションを高く維持しましょう。そしてあなたもぜひ6個に割れた美しい腹筋を手に入れてください、応援しています。

【6個に割れた腹筋を作るための方法】まとめ

□腹筋には腹直筋(上部、下部)と腹斜筋がある。まとめてではなく、それぞれ個別でトレーニングしよう。

□腹筋群を鍛えるとアクティブに動けたり姿勢の改善や、便秘解消の効果などが見込める。

□腹筋群の筋トレでは1セットの回数を多く行なうのではない。しっかりと効かせることを意識して強い負荷を少ない回数で与える。多くても15回ほどが限界になる負荷を与えよう。

□腹筋は遅筋の割合が多いので毎日行なっても回復が早く、怪我のリスクも少ない。

□複数のトレーニングを行なう場合、腹筋は最後に組み立てるとよい。先に行なうと体幹が疲労して他の部位でフォームが乱れやすい。

□腹筋は腹筋以外の筋トレでも体幹の維持で使用されるため、実は腹筋は併せて鍛えられている。

□シックスパックを作る最終工程は体脂肪を落とすこと。食事をコントロールしてお腹まわりの脂肪が落ちれば、腹筋は顔を出してくれる。

腹筋のシックスパックは私も筋トレを始めた当初はすごく憧れたことを覚えています。漫画の中に出てくるキャラクターは格好いい腹筋をしていて、そんなお腹になりたいと思ったものです。

しかしいざある程度お腹が割れてくると、そんなに腹筋にはこだわらなくもなりました。むしろもっと腕を太くしたい、胸を厚くしたいと他の部位に目が行くようになっていきました。無いものねだりというやつですかね。

しかし腹筋が割れたときの達成感はありますし、スポーツなどの動きが向上することは確かです。なにより見た目が格好いい(笑)。腹筋が引き締まることは自信を深めることにもつながりますので、ぜひシックスパックに向けて頑張ってください。

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