ストレッチ種目、ミドルレンジ種目、コントラクト種目のPOF法を理解することであなたの筋肥大はより加速する
2017/09/23
以前の記事にコンパウンド(多関節)種目とアイソレーション(単関節)種目の違いを書きました。実は筋トレにはこの2つの種類分け以外にも別の視点から3種類に分けることができます。ジムには同じ筋肉をターゲットにした筋トレマシンが数種類置いてありますが、なぜ同じマシンを数多くではなく数台ずつ違う種類のマシンを置くのでしょうか?
それにはちゃんと理由があります。このページでは3種類に分けられた筋トレの種目の解説をしていきたいと思います。同じ部位を鍛えるのに違うやり方があるのはなぜなのかという事が分かりますので、あなたの筋トレ知識にプラスしていってください。
筋トレには負荷のかかるポイントによって3種類に分けられる
筋トレは前に押す動作、上に持ち上げる動作、下から引き寄せる動作など様々な動きがあります。そして動作のどこの位置で筋肉への負荷が最大になるのかが、その種目ごとに変わるのです。それらを3種類に分けることができるのでそれぞれ見ていきましょう。
◇ミドルレンジ種目で高重量の刺激を与える
動作の中間地点で負荷のピークが来る種目のことを言います。ミドルレンジの種目は補助筋が動員される種目が多く高重量が扱えますが、その分関節にも負担がかかる種目が多いです。自分のフォームがきちんとできているか、重りをコントロール出来ているかをチェックして重量設定を行いましょう。
《ミドルレンジ種目の代表例》
ダンベルプレス(大胸筋)
チンニング(広背筋)
スクワット(大腿四頭筋)
◇ストレッチ種目で筋肉の成長を行なう
動作の中で最も筋肉がストレッチされる位置で負荷が最大になる種目です。ストレッチされるというと誤解しないでいただきたいのは力を抜くという事ではないという事です。筋トレの世界ではストレッチの動作を伸長動作と言いますが、これは筋肉を収縮させながら伸ばしていくというある意味で矛盾している動作です。
エキセントリックフェーズ(ネガティブ動作)をゆっくり行なうと筋肉に負荷がかかるという原則がありますがそれと同じことですね。例えるならブレーキを踏みながらアクセルを踏み込んでいくようなイメージです。反対方向に力を入れながら筋肉を伸ばしていくのです。言葉だけだと分かりづらいですかね(笑)
このストレッチ種目はエキセントリックフェーズのトレーニング効果がありますので、筋繊維に大きな刺激を与えることができます。しかもその際に筋肉を成長させる物質が分泌されるので、筋肥大を狙っていて停滞気味の方はストレッチ種目を取り入れてみましょう。さらにゆっくりとした動作が多いのと、関節にも負担がかかりづらく安全面に優れるという特徴もあります。
《ストレッチ種目代表例》
ダンベルフライ(大胸筋)
インクラインダンベルカール(上腕二頭筋)
フレンチプレス(上腕三頭筋)
◇コントラクト種目で強い筋収縮を得よう
動作で1番筋肉が収縮するポイントで負荷が最大になる種目のことを言います。特徴としてはミドルレンジと同様に高重量を扱え、筋肉に強い刺激を与えられます。さらにコンセントリックフェーズ(ポジティブ動作)で負荷が大きくなるので強い収縮感を得やすく、自分のターゲットを意識して効かせやすい特徴があります。
筋肉が収縮すると血液の流れを1度遮り、その後流れ込む血液によってパンプアップ効果も期待でき筋肉がより肥大します。パンプアップ効果を説明すると筋肉を大きくするよりも、筋肉の断面積を増やす効果がある。
ちなみにチューブを使った筋トレは全てこのコントラクト種目になります。チューブの特性上引っ張られた分だけ反作用でチューブの支点に向けた抵抗が生まれます。チューブが伸びきった位置は筋肉の収縮が1番大きくなるので、収縮=負荷が最大になるコントラクト種目という事になるのです。
《コントラクト種目代表例》
コンセントレーションカール(上腕二頭筋)
ダンベルキックバック(上腕三頭筋)
ベントオーバーロウ(広背筋)
POF法を用いたトレーニング方法
最後にこれら3種類の筋トレ種目に分類したことによって可能なトレーニング方法を紹介します。POFとはPosition Of Flexion (ポジション・オブ・フレクション)のイニシャルを略したもので『関節のどの位置で負荷が最大化するのか』という意味です。実はここまでで3種類に分類した筋トレ種目もこのPOF法をもとに分類されています。
実際に筋トレでPOF法を用いる利点は多く様々な角度から筋肉に負荷が与えられるので、1種目のみだと起こりがちな筋肉のマンネリ化を防ぎ筋肥大を促してくれるのです。POF法を行なう時はミドルレンジ種目→ストレッチ種目→コントラクト種目という流れで行ないます。
例1)大胸筋トレーニングのPOF法
ベンチプレス→ダンベルフライ→ケーブルフライ
例2) 上腕三頭筋トレーニングのPOF法
ナローダンベルプレス→フレンチプレス→ダンベルキックバック
【ミドルレンジ種目、ストレッチ種目、コントラクト種目のPOF法】まとめ
□筋トレ種目はPFO法というやり方を用いて3種類に分類できる
□ミドルレンジ種目は動作の中間地点で負荷が最大になる。補助筋が動員されるため高重量を扱いやすい種目。
□ストレッチ種目は筋肉にストレッチがかかるときに負荷が最大になる。筋肉に大きなストレッチ効果が与えられ、筋肉の成長物質も分泌されるため更なる筋肥大効果を期待できる。
□コントラクト種目は筋収縮の際に負荷が最大になる。筋肉の強い収縮が行われるためターゲットの意識がしやすいのと、血流をおさえることによりパンプアップ効果も期待できる。
□POF法はいろいろな角度から筋肉に刺激を与え筋肥大を増進させる。また筋肥大のマンネリ化を防ぐ効果もある。
一口に筋トレと言っても様々な種類があります。私も大胸筋を発達させたかった時にはベンチプレスばかりをやっていました。でも実際に初めは上がる重さが増えていったのに、ある程度で効果が頭打ちになるという事になってしまいました。なので異なる角度から刺激を与えることを学びより効果を得ていきました。しかも自分の出来る種目が増えるので単純に楽しかったです(笑)
ここで紹介したPOF法ですがもちろん1部位を3つの種目でやりますので時間がかかります。そういったデメリットもあるので、あまり時間をかけたくない方は1種目で構わないです。たとえ1種目でも効果は出てきますので、そのかわり筋肥大のマンネリを防ぐためには2週間に1回は種目のローテーションをした方がいいと思います。そういった小さな工夫の積み重ねが大きな成果を生み出せますので。